研究概要 |
昨年度及び今年度の本特定領域研究の補助を受けた研究の結果,各々が無作為でユニークな配列をもつポリペプチドがシャペロニンに認識されて結合するということを見いだした。この無作為配列ポリペプチドは2次構造をもたない(もちえない)ので,シャペロニンが認識結合する構造特徴には2次構造が必要か否か,という議論に終止符をうつ重要な実験になった。さらに次のようなことも明らかとなった。・ランダムペプチド内のトリプトファンの蛍光特性が(還元型ラクトアルブミンの場合と同じように)シャペロニンに結合することによって変化することがわかった。・ランダムペプチド存在下でGroELの定常状態でのATP加水分解活性が大きくなることが明らかとなった。このことは,変性蛋白質の結合がシャペロニンのATPaseサイクルに直接影響しているという仮説一を強く支持する結果として興味深い知見である。
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