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時間分解ホールバーニングによる蛋白質の構造ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 10157229
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関(財)レーザー技術総合研究所

研究代表者

柴田 穣  (財)レーザー技術総合研究所, レーザーバイオ科学研究チーム, 研究員 (20300832)

研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード蛋白質の構造揺らぎ / 時間分解分光 / ホールバーニング / ミオグロビン
研究概要

これまで、時間分解ホールバーニング法を用いて調べてきた蛋白質構造ダイナミクスに対する理解をより深めるため、構造揺らぎに対する溶媒の効果について重点的に調べた。そのために、これまでも用いてきた試料であう亜鉛置換ミオグロビン(ZnMb)溶液において、溶媒条件を系統的に変えたときに構造揺らぎがどのように変化するかを詳細に調べた。実験結果を解析することにより以下のような結論が得られた。
全ての溶媒条件のZnMb試料において、蛋白質の構造揺らぎによるホールスペクトルのピーク位置の時間発展は、著しく単一指数関数的な振る舞いからかけ離れた非指数関数的振る舞いを示した。近似的に、その時間発展は拡張指数関数(exp[-(t/T)^β]、β=0.26で表された。β=0.26という値は通常のガラス形成液体等と比べても非常に小さく、蛋白質内の揺らぎの時間スケールの幅広い分布を反映しているものと考えている。上述のような振る舞いを示さない唯一の例外は、固体フィルムにznMbをドーブした試料であった。この場合、調べられた全ての温度でホールスペクトルの時間変化は見られなかった。蛋白質を取り囲む周りの環境が固体になった場合には、蛋白質は揺らぐことができないことを非常に鮮明に示す結果である。
また、遺伝子操作によりヒスチジン64をロイシンに置換した変異体試料を用いて実験行ったところ、野生種で見られるホールスペクトルの時間変化が明らかに抑えられる傾向があることが分かった。このことより、野生種で見られているスペクトルの時間変化は、ヒスチジン64の揺らぎによるものである可能性が示唆される。現在詳しい解析が進行中である。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 柴田 穣: "Determination of Qx-and Qy-absorption bands of Zn-porphyrin derivatives contained in proteins by hole-burnig spectroscopy" Chemical Physics Letters. 284. 115-120 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 栗田 厚: "Slow fluctuation in chromophtre-solvent systems observed by time-vesolved transient hole-burning spectroscopy" Journal of Lumines cence. 76&77. 295-198 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 柴田 穣: "Real-Time Observation of Conformational Fluctuations in Zn-Substituted Myoglobin by Time-Resolved Ticmsieut Hole-Burning Spectroscopy" Biophysical Journal.75. 521-527 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 柴田 穣: "Solvent Effects on Conformational Dynamics of Zn-Substituted Myoglobin Observed by Time-Resolved Hole-Burning Spectroscopy" Biochemistry. 38. 1789-1801 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 柴田 穣: "Conformational Fluctuation of Native-Like and Molten-Globule-Like Cytochrome c Observed by Time-Resolved Hole Burning" Biochemistry. 38. 1802-1810 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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