研究課題/領域番号 |
10158202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 徹 筑波大学, 農林学系, 講師 (10272155)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 自家不和合性 / アブラナ科 / S糖タンパク質 / SLG / S-レセプターキナーゼ / SRK / 塩基配列 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
ウエスタンブロット分析ではS糖タンパク質(SLG)が検出できないBrassica oleraceaのS遺伝子テスターラインのいくつかの系統(SLG欠失系統)を用い、SLG遺伝子の構造及びその発現を調べた。柱頭より抽出したポリ(A)RNAを用いたノーザンブロット分析により、SLG欠失系統の定常状態におけるSLG転写物の存在量が正常系統に比べ少なくなっていることがわかった。SLG欠失系統のうちS18及び60を選び、SLG^<18>及びSLG^<60>ゲノミッククローンの塩基配列を調べたところ、両者のコーディング領域には終止コドンが存在していた。これに対し、両者のS-レセプターキナーゼ(SRK)の塩基配列は正常であった。S18及び60のS遺伝子に関するF2分離集団を用いたサザンブロット分析により、SLG及びSRK以外にクラスI及びII SLGにホモロジーのあるDNA断片は存在しないことが分かった。SRK待異的プライマーを用い3′RACEを行ったところSRK^<18>及びSRK^<60>のalternative splicing産物がクローニングされた。ウエスタンブロット分析の結果から考え、これらalternative splicing産物に由来する糖タンパク質が翻訳されていたとしても、極わずかであると思われる。 以上の結果より、B.oleraceaの自家不和合性反応においては、SLGは必須ではないと考えられる。このことより、従来提唱されてきたアブラナ科植物自家不和合性反応の作業仮説の見直しが必要であると考える。ただし、微量なSRKのalternative splicing産物由来のSLG様糖タンパク質がSLGの代役を果たしている可能性は否定できない。
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