研究課題/領域番号 |
10160205
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川上 浩一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70195048)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 分子生物学 / 発生遺伝学 / ゼブラフィッシュ / 生殖細胞 / トランスジェニック |
研究概要 |
脊椎動物の初期発生において、始原生殖細胞の分化メカニズムの解明は生物学の重要な課題である。また、始原生殖細胞の人為的操作技術を開発することは細胞工学、遺伝子工学的見地からも重要である。ゼブラフィッシュは近年脊椎動物のモデル生物として盛んに用いられるようになってきた。その理由には、初期発生の解析が容易であること、遺伝学的解析が可能であることが挙げられる。私はゼブラフィッシュを用いて、初期発生における始原生殖細胞分化のメカニズムの解明と始原生殖細胞操作による新しい遺伝学的テクノロジーの開発を目的として研究を行った。我々は、既にショウジョウバエの生殖細胞形成に必須でDEAD boxを有するRNAヘリケースをコードするvasa遺伝子のゼブラフィッシュホモログのクローニングに成功し、初期胚におけるvasaRNAの局在、発現のin situ hybridizationによる解析を行ってきた。その結果、初期胚におけるvasaRNA局在、発現細胞が始原生殖細胞であることを示してきた。私は、始原生殖細胞を“生きたまま"のゼブラフィッシュ胚において視覚化することが重要であると考え、以下の研究を行った。 (1) ゼブラフィッシュvasa遺伝子の5'上流域(プロモーター領域)の6kbのゲノムDNAをライブラリーから単離した。 (2) プロモーター領域をリポーター遺伝子であるGFP遺伝子に結合させた。 (3) そのような構造をもつプラスミドDNAを受精卵に微量注入し、一時的なGFPの発現の観察を行った。1日胚において強い発現を観察した。この発現が生殖細胞特異的か否かは解析中である。 (4) プラスミドDNAの微量注入を施したゼブラフィッシュ受精卵を成魚まで飼育中である。次世代(F1)で始原生殖細胞特異的にGFPを発現するトランスジェニックフィッシュラインを樹立する予定である。
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