研究課題/領域番号 |
10162202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
室伏 擴 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70101128)
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研究分担者 |
奥原 康司 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 機関研究員
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Xenopus卵 / DNA複製 / SSRP1 / Cdc68 / HMGタンパク質 / クロマチン |
研究概要 |
DUFは二重鎖DNAに結合して、二重鎖に負のひねりを加えることによって、二重鎖を局部的に開く活性を持つ因子として、筆者らによってXenopus卵抽出液から初めて精製された。DUFは、出芽酵母のCdc68の類似体とSSRP1(シスプラチンによって修飾されたDNAに結合する因子)とのヘテロ二両体である。精製DUFを、種々のニックを持たない弛緩した環状二重鎖DNA溶液に加えると、二重鎖DNAに負のひねりが導入された。また、ひねりの導入にはATPは必要なかった。pSV00CAT DNA(4.6kbp)を用いて、DUF量とひねり数との量的関係を調べたところ、0.9pmolのDUFが、0.07pmolのDNAに負のひねり1つを導入することがわかった。このことは、1分子のDNAを1回ひねりるためには、約13分子のDUFが必要であるということを意味する。Xenopus卵抽出液に環状一本鎖M13DNAを加えると、それを鋳型としてDNA合成が行われ、形成された二重鎖にヒストンが結合してクロマチン構造が作られることが知られている。DUF存在下(mock処理卵抽出液中)および非存在下(抗-DUF抗体でDUFを除いた卵抽出液中)で形成させたクロマチンに対するミクロコッカスヌクレアーゼ感受性を調べたところ、DUF存在下のクロマチンDNAは、非存在下のクロマチンDNAよりもヌクレアーゼ感受性が高いことがわかった。また、ヒストンを固定化したカラムを用いてDUFとヒストンとの相互作用を調べたところ、DUFはヒストンに対して強い親和性を持つことがわかった。DUFはDNAのみならず、コアヒストンとも相互作用して、DNA複製に必要なゆるんだクロマチン構造を作る作用を持つということが示唆される。
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