研究課題/領域番号 |
10162214
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立公衆衛生院 |
研究代表者 |
宮澤 宏 国立公衆衛生院, 衛生薬学部, 室長 (40183967)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | DNAポリメラーゼε / DNA複製 / サブユニット構造 / 過剰発現系 / 核移行 |
研究概要 |
DNAポリメラーゼε(polε)の2つのサブユニットの機能を明らかにする目的で、SRαのプロモーターの下流に結合したcDNAをCOS細胞へ導入し、2日後の核抽出液のDNAポリメラーゼ活性を検討した。DNAポリメラーゼα等の活性によるバックグランドは高いものの、polε活性サブユニット(p260)を単独発現させた場合、活性の上昇が見られた。サブユニット構造をとっているpolεは、p260単独で活性が存在することが示唆された。また、2番目のサブユニット(DPB2)と同時に発現させた場合、さらに活性の上昇が見られた。この時同時に行ったWestern blottingの結果から、この活性の上昇はDPB2を同時に発現させたためp260自体のタンパク量も上昇したことに起因することが判明した。 一部欠損させたp260を作製し、同様にして活性を測定したところ、N末の65個のアミノ酸、およびC末のZinc fingerを含む660個あまりのアミノ酸を欠損させても、目立った活性の低下はなかった。したがって、この領域に存在するZinc fingerや酸性アミノ酸領域は活性発現に必須ではないと結論された。 2つのサブユニットは核で機能するタンパク質であり、その核移行のメカニズムを調べる目的で、各抗体を用いてそれぞれの細胞内局在を調べた。内在性のpolεは両サブユニットとも核に局在していた。次に過剰発現系での細胞内局在を調べた。その結果p260は単独発現させた場合でも核に局在したことから、p260自身に核移行シグナルが存在するものと示唆された。一方、DPB2は核にも見られるが主に細胞質に存在していた。2つのサブユニットを同時発現させると、細胞質に残るDPB2もあるが、核に局在する割合が増加したことから、DPB2は活性サブユニットと複合体を形成して核へ移行すると考えられた。
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