研究課題/領域番号 |
10163203
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
竹内 利行 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00109977)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Furin / 胃粘膜 / TGFα / 壁細胞 / TGFβ / 主細胞 |
研究概要 |
Furinは成長因子等の前駆体蛋白切断酵素で、-RXXR↓X-を切断して活性型に転換する。 我々は、Furinがラット胃粘膜上皮増殖帯のすぐ上部と、下部の細胞群に高発現していることを見出し、発現細胞の同定を試みた。胃粘膜先端部の胃小窩上皮細胞はTGFαを強く発現するが、Furin陽性細胞はTGFα陰性であった。Furin陽性細胞はHK-ATPase抗体で染色され、壁細胞と同定され、TGFα陽性粘膜上皮細胞に囲まれていた。TGFαの受容体であるEGF-Rは管腔側の粘膜上皮細胞、Furin陽性壁細胞、および主細胞で強く発現していた。TGFαがFurin発現を制御している可能性を考え、マウス粘膜上皮細胞由来株GSM06を用いてルシフェラーゼ法でFurinプロモーター活性を測定した。FurinプロモーターはTGFαとフォルボールエステルで強く活性化され、壁細胞のFurin発現が周囲のTGFα陽性上皮細胞によって制御されている可能性を示した。 増殖帯下部のFurin陽性細胞はPepsinogen抗体で主細胞と同定された。そこで、主細胞でFurinによって活性化されるTGFβとの共発現の可能性を検討した。主細胞ではTGFβ2,3と、EGF-Rが強く染色された。主細胞周囲の壁細胞ではTGFαとTGFβII型受容体(-RII)が発現していた。主細胞のFurin発現は壁細胞のTGFαによって増加し、TGFβを活性型にし、TGFβは壁細胞のTGFβ-RIIを介して酸分泌機能を調節すると考えられる。 以上より、胃小窩では粘膜上皮細胞と壁細胞、腺部では壁細胞と主細胞がFurin活性を介して相互依存的に高次機能を構築すると考えられる。
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