研究課題/領域番号 |
10163211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石浦 章一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10158743)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイド / プロテアーゼ / タンパク分解 / ADAM / MDC9 / セクレターゼ |
研究概要 |
本年度、APPのC末端10アミノ酸欠失変異体Iと小胞体ソーティング付加変異体IIを用いて、APPの細胞内代謝を検討し、これに関与するタンパク質分解系を検討した。まずCOS細胞に発現させたIでは、細胞外への分泌が促進しており、C末端のアミノ酸の中に細胞内移行を決定させる因子が存在することを示唆するデータを得た。一方、アデノウイルスE19タンパク質の持つ小胞体取り込みシグナルを人工的に付加した変異体では、APPはいったん膜上にソーティングされた後再び細胞内に取り込まれ、分泌量が減ることが明らかになった。同時に、正常なAPP代謝過程と考えられるα型切断は、分泌過程の後期に行われることもわかった。 次に、APPのプロセシングに関わるプロテアーゼを明らかにするため、cDNAの導入をアッセイ法としてセクレターゼを探索した。その結果、α型切断はADAMファミリー型メタロプロテアーゼ、β型切断はThimet oligopeptidaseによって行われることが判明した。特に前者はMDC9と考えられており、ADAMファミリーの酵素が細胞内でのプロセシングに関与しているのは興味ある知見であった。この両方は世界で初めての発見であり、β型切断の阻害はアミロイドβタンパク質の減少を介してアルツハイマー病を治す可能性もあり今後、アルツハイマー病の治療薬開発の方向性を示したという点に関して有望な結果と考えられた。
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