研究課題/領域番号 |
10163221
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永渕 昭良 京都大学, 医学研究科, 講師 (80218023)
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研究分担者 |
月田 早智子 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00188517)
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (90281089)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | Sカテニン / 蛋白分解 / Wntシグナル / APC / GSK3β / アキシン / ターゲッティング |
研究概要 |
多細胞動物の形態形成において重要な役割を果たすWntシグナルの伝達系ではβカテニンの分解の制御が重要なステップである。本研究はβカテニンの蛋白質としての安定性をカドヘリンの影響を受けることなく解析できるL細胞の系を用いて、シグナル伝達とβカテニンの分解制御機構との関係を明らかにすることを目的としている。本年度は以下のような結果を得た。 1. L細胞に種々の欠失変異型βカテニンを導入した結果、APC結合領域、GSK3β認識配列が共にβカテニンの分解に必要であり、どちらを欠損した場合でもβカテニンの安定化が起こることが分かった。さらにこのような安定型βカテニンはほとんどの場合内在性の正常なβカテニンの分解も阻害することが示された。 2. 上記の変異型βカテニンを膜タンパク質の細胞質領域に結合させ膜結合型にしたところ、より強い内在性βカテニンの安定化が観察された。さらにこのような膜結合型βカテニンはβカテニンの分解に関与すると考えられるAPC、GSK3β、アキシンという3種類の細胞質因子と細胞内で複合体を形成することが示された。これは膜結合型βカテニンがβカテニン分解機構を不活化させることにより内在性βカテニンの安定化に寄与していることを示唆している。 3. 今後のβカテニンの機能解析に備え、βカテニンの遺伝子破壊に必要なターゲッティングベクターの作成を行った。この際L細胞でのターゲッテイングを可能にするために効率よく遺伝子破壊が行えると考えられるトラップ型ベクターを作成した。現在のところマウスF9細胞において非常に効率よく遺伝子破壊が行えることを確認したところである。
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