研究概要 |
前駆体タンパク質プロセシングプロテアーゼであるヒトPACE4(SPC4)のゲノム構造は全長250Kb以上で25ケのエキソンからなること,PACE4(SPC4)には8種のアイソフォームが存在すること,これらのアイソフォームは単一遺伝子から生成し,選択的RNAスプライシングにより生じることを明らかにしてきたが,本年は5′上流域の転写制御機構を解明するべくルシフェラーゼをレポータージーンとして,プロモーター領域の欠失または変異体作製により,PACE4(SPC4)発現調節はbasic helics loop helix(bHLH)型転写因子の結合部位であるE-boxを中心に行われていること,中でもE2,E10はエンハンサー,E6-E9のE-boxクラスターはサイレンサーとして働いていることを明らかにし,SPCファミリーの中でもPACE4(SPC4)は最も高度に発現調節を受けていることを初めて明らかにし,発生,分化,生体の恒常性維持等の多用な生命現象にきわめて重要な役割を果たしていることを明らかにした.
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