研究課題/領域番号 |
10163237
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
小出 武比古 姫路工業大学, 理学部, 教授 (60018695)
|
研究分担者 |
徳永 文稔 姫路工業大学, 理学部, 助手 (00212069)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 品質管理機構 / 小胞体 / 20Sプロテアソーム / 小胞体プロテアソーム |
研究概要 |
小胞体(ER)に局在し、新生タンパク質の品質管理機構に関与する可能性のあるプロテアーゼを単離することを目的として、ラット肝ミクロソーム画分の0.0125%および2.5%コール酸ナトリウム可溶化画分より、合成基質Suc-Leu-Leu-Val-Tyr-MCA(LLVY)水解活性を指標として、R2プロテアーゼ(R2)およびDE3プロテアーゼ(DE3)を精製した。両プロテアーゼ共に、SDS-PAGE上では、20Sプロテアソーム(20S)のパターンときわめて類似する多数のサブユニットが検出された。しかし、2次元PAGEでは、3者のサブユニットのスポットの一部に相違が認められた。 次に、両プロテアーゼの酵素化学的性質を細胞質20Sプロテアソーム(20S)との比較で検討した。各種の合成ぺプチド基質を用いて検討した結果、R2とDE3は20Sと同様の基質特異性を有していた。20Sに特徴的なSDSによるLLVY水解活性の増強については、R2とDE3は増強の程度が20Sのそれよりも強いことが認められ、ER膜のリン脂質組成を模倣したリン脂質混合物存在下でもR2、DE3のLLVY水解活性が20Sのそれよりも上昇した。また、検討した4種の合成基質の水解活性すべてにおいて、R2とDE3はプロテアソームの特異的阻害剤に対して20Sと同様の阻害剤感受性を示したが、TPCKやキモスタチンに対しては特定の合成基質の水解活性の阻害で若干の相違も認められた。しかし一方で、TPCKはBoc-Leu-Arg-Arg-MCA水解活性を増強するという興味深い現象が認められ、この場合の活性化倍率は、20SがR2、DE3よりも高かった。 タンパク質基質を用いた検討では、R2とDE3は20Sと同様にintactなBSAやリゾチームはほとんど分解しなかったが、DE3は、一定の3次元構造を持たないといわれているβ-カゼインをよく分解した。また、還元カルボキシメチル化リゾチーム(RCM-Lz)に対しては、DE3は20Sよりはるかに分解活性が高く、これらプロテアーゼ間のタンパク質分解特性に差異が認められた。 このように、R2とDE3は20Sと局在部位が異なることに加えて、酵素化学的特性においても幾つかの点で異なることが明らかとなった。
|