研究課題/領域番号 |
10163246
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
森 啓 大阪市立大学, 医学部, 教授 (10159189)
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研究分担者 |
佐原 成彦 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40261185)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / プレセニリン1 / 細胞死 / 老人斑 / アミロイド / カスパーゼ / アポトーシス |
研究概要 |
アルツハイマー病の主要原因遺伝子プレセニリン1の機能については神経病変である老人斑分子(Aβ1-42/43)の高進やあるいは細胞死を誘起する可能性が議論されているが、実際にヒト脳組織を用いた検索は少ない。これまで細胞内蛋白分解の視点からアルツハイマー病を検討してきたが、プレセニリン1突然変異によってプレセニリン1自身の蛋白分解が変化するという議論に明瞭な研究成果を得ることができた。プレセニリン1自身はヒト脳組織内では大きく2つの断片の複合体として存在しているが、プレセニリン1異常である早期発症型家族性アルツハイマー病でもその代謝に変化がなかった。すなわちプレセニリン1自身の代謝異常ではなく、その機能変化が痴呆発症を引き起こすことが結論された。また、この家族性をしめす脳組織の初期病理変化がAβ1-42/43であることを確定することができた。最近議論され始めたアポトーシスとの関連が特に重要視され始めているが、この問題について、脳組織内のプレセニリン1のカスパーゼ断片と調べると共に、カスパーゼ-3ノックアウトマウスを用いた研究を進行させてきている。その結果、細胞内プレセニリン蛋白の95%以上は26kの安定な断片として存在していることを見出した。さらに最近、断片化が2種類あることがハーバード大学のグループによって提唱されているが、この新しい断片化はCaspase-3による分解であることから、アポトーシス細胞死に関連することが示唆されてきた。われわれは現在この結論を支持する結果をカスパーゼ-3ノックアウトマウスから得ていないが、さらに検討をすすめることを計画している。
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