研究課題/領域番号 |
10164240
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
金子 章道 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00051491)
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研究分担者 |
恒成 隆 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30286439)
青木 香織 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00276213)
小泉 周 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10296551)
渡辺 修一 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60138120)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | アマクリン細胞 / 持続性ナトリウム電流 / 網膜 / ラット |
研究概要 |
アマクリン細胞は、網膜第2次シナプス層(内網状層)に樹状突起を広げる介在ニューロンであり、その多くはGABA作動性の抑制性ニューロンである。アマクリン細胞は無軸索であり、樹状突起でシナプス入力をうけ、かつ、シナプス出力も行っている。また、アマクリン細胞は、軸索を持たないにもかかわらず、活動電位を発生する。これまでにこの活動電位によってアマクリン細胞から強い抑制性シナブス出力が行われることを明らかとしたが、依然として、無軸索介在ニューロンにおける活動電位の伝導特性および活動電位の閾値下でのシナプス後電位の伝播特性については不明な点が多い。本研究では、単離培養したアマクリン細胞を用いて、アマクリン細胞の活動電位の発生を解析し、その基礎となるイオン電流を解析した。 ラット新生仔から網膜アマクリン細胞を単離し7〜14日培養した。アマクリル細胞の同定はHPC-1/Syntaxinと、G油Aに対する免疫組織化学法により行った。これら培養網膜アマクリン細胞に対してパンチクランプ法を適用し、膜電位および電流記線を行った。 単離アマクリン細胞を電流注入によって-60mVを越えて脱分極すると、受動的な膜として予測される電位よりも大きな脱分極を示した。この脱分極は電流注入終了後も約200msec持続し、その間に活動電位が発生した。持続性脱分極は、TTXによって抑制されたが、Co^<2+>では影響を受けなかった。電位固定の条件下ではTTX感受性の持続性電流が記録された。この電流の逆転電位はNa^+の平衡電位と一致した。以上の結果から、培養網膜アマクリン細胞にはTTX感受性の持続性Na^+電流が存在し、これにより持続時間の短い刺激でも、長い持続的な脱分極が引き起こされることが明らかとなった。したがって、介在ニューロンであるアマクリン細胞でのシナプス入力の統合には、持続性および一過性のNa^+電流が大きな役割を果たしていると考えられる。
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