研究課題/領域番号 |
10164251
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
佐々木 茂人 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 参事研究員 (50110490)
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研究分担者 |
岡 美恵子 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 研究員 (80270669)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 姿勢調節 / 指向運動 / Head pursuite / Head saccade / Eye saccade |
研究概要 |
光点を色々な速度で動かしこれを追跡させると、速い動きに対しては、head saccadeとsaccadeで光点をとらえる(指向運動)が、光点の移動速度を遅くしていくとhead saccadeは次第に減少・消失し、頭は滑らかな軌跡を描いて光点を追跡した。この時、眼球はeye pursuitではなく、小さなsaccadeを繰り返して光点を追跡した。この頭の滑らかな運動は小さなhead saccadeが癒合したものではなくhead pursuitと我々が命名した新しい運動であることが示唆された。この経路として上丘-橋・延髄網様体-頚筋の経路が考えられた。 指向運動中に前肢に加わる荷重を計測した。右に指向する場合、頭の回転方向と対側の左前肢では頚の運動開始にほぼ同期して荷重の増加が起こり始め約100msでピークに到達、その後約100msで指向運動前のレベルまで減少後、再度急速に減少した。一方同側前肢では荷重変化は対側前肢とほぼ鏡像関係の変化を示した。頭の運動の潜時と荷重変化の潜時の間には正の強い相関があり、両者は共通した経路で介されることが示唆された。上丘からの出力を頚筋に伝達する網様体脊髄路細胞(C-RSN)は、その軸索側枝を下部頚髄に投射するので、その下行側枝がこの姿勢調節に関与すると考え、その軸索投射様式をHRPの軸索内注入法で調べた。C-RSNの軸索下行枝はC7-C8頚髄では前索を下行し、軸索側枝を四肢運動ニューロン核には派生せず、姿勢調節に重要であると考えられるRexedのVIII層、前肢運動ニューロンへの介在ニューロンの多くが存在するVII-VI層に側枝を派生していた。この結果C-RSNの下行側枝は姿勢調節に関与することが強く示唆された。
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