研究課題/領域番号 |
10164252
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
南部 篤 (財)東京都神経科学総合研究所, 病態神経生理学研究部門, 副参事研究員 (80180553)
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研究分担者 |
徳野 博信 財)東京都神経科学総合研究所, 神経細胞生物学研究部門, 主任研究員 (40212071)
稲瀬 正彦 通商産業省工業技術院電子技術総合研究所, 生体機能研究室, 主任研究官
高田 昌彦 財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 副参事研究員 (00236233)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 線条体 / 被殼 / 一次運動野 / 補足運動野 / 運動制御 / サル / 電気生理学 |
研究概要 |
大脳基底核の入力部のひとつである線条体(尾状核と被殻)は、大脳皮質の広い領野から入力を受けているが、入力様式について、複数の大脳皮質の領野からの情報が収束し情報の統合が起こっているという説と、複数の大脳皮質の領野からの情報は並列、分散処理され、情報の統合はあまり起こっていないという説がある。サルを用いて、大脳皮質から線条体への入力様式について電気生理学的に検討を加えたところ、次のことが明らかになった。 1. 一次運動野から入力を受ける被殻ニューロンの約1/3が同時に補足運動野からも入力を受けていた。逆に、補足運動野から入力を受けるニューロンの約半数は、一次運動野からの入力も受けていた。 2. 大脳皮質からの潜時を比較してみると、一次運動野からの潜時が8〜10ミリ秒であるのに対し、補足運動野からのものは12〜14ミリ秒と両者ともかなり遅いものであった。 3. 感覚性入力は、一次運動野のみの入力を受けているニューロンや一次運動野と補足運動野の両者から入力を受けているニューロンにおいて、より高率に観察できたのに対し、補足運動野のみの入力を受けているニューロンにおいては、同定出来ないことが多かった。また、一次運動野のみの入力を受けているニューロンおよび一次運動野と補足運動野の両者から入力を受けているニューロンの近傍において、微小電気刺激による運動がより高率に誘発されたのに対し、補足運動野のみの入力を受けているニューロンの近傍においては、誘発できないことが多かった。 以上をまとめると、一次運動野と補足運動野からの入力情報の一部は、被殻において収束していることが明らかとなり、何らかの機能的意義があると考えられる。
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