研究課題/領域番号 |
10167201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
荒瀬 尚 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10261900)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | NKR-P1 / FcRγ / Th1 / Th2 / CD3ζ / FcγRIII |
研究概要 |
我々は、抗NK1.1抗体で、NK細胞およびNK1.1^<++>T細胞を活性化すると強いIFN-γの産生が認められるがIL-4の産生は全く認められないことを報告してきた。つまり、NK細胞のレセプターの一つであると考えられるNK1.1分子か.らあシグナルは、NK1.1^+T細胞やNK細胞に単に細胞障害性を誘導するばかりでなく、これらの細胞からのIFN-γ産生に重要であると考えられた。そこで、NKR-P1分子のシグナル伝達機構を解析したところ、FcRγ鎖がNK1.1分子に結合していることが明らかになった。さらに、FcRγ鎖欠損マウスを用いてNK1.1分子の機能を解析した結果、NK1.1分、子のシグナル伝達にFcRγ鎖が必須であることが判明した。 一方、NK細胞には、TCRの構成分子の一つであるCD3ζ鎖が発現していることが知られていたが、その機能は依然として明かではない。そこで、CD3ζ鎖欠損マウスよりNK細胞を採取し、各種細胞表面抗原を解析したところ、正常マウスのNK細胞と比較してFcγRIIIの発現が顕著に増強しており、機能的にも亢進しているいることが明らかになった。以上より、CD3ζ鎖は、単純にシグナル伝達分子として機能するばかりでなく、FcγRIIIの発現制御分子としても重要な機能を担っていることが明らかになった。 我々は、Th1/Th2分化の制御に関与する細胞について検索したところCD8^+T細胞の中には、CD4^+T細胞の活性化によって強くIFN-γ産生し、ナイーブT細胞をTh1細胞へ分化誘導する細胞が存在することが明らかになった。また、このTh1誘導CD8^+T細胞からのIFN-γ産生は、CD4^+T細胞の活性化にともなって発現される何らかの抗原を認識することによるものだと考えられた。以上より、CD8^+Th1誘導T細胞は、Th1分化に関与する重要な細胞であると考えられた。
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