研究課題/領域番号 |
10167209
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
生田 宏一 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90193177)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | STAT / サイトカインレセプター / V-J組換え / 転写誘導 |
研究概要 |
1. STAT5によるTCRγ遺伝子のgermline転写誘導機構 まず、IL-3依存性のBa/F3細胞においてもTCγ遺伝子のgermline転写が見られることを確認した。さらに、構成的活性型STAT5Aを導入したBa/F3細胞ではIL-3なしでgermnline転写が誘導されていた。IL-7R cDNAが導入されたBa/F3細胞はIL-7でgermline転写が強く誘導された。また、このgermline転写はJγ1の上流より開始しており、転写開始点の上流-220bpから-80bpの間に3ケ所のSTAT結合モチーフが存在していた。さらに、gel mobility shift assayにより、STAT5がこのモチーフに結合することが確認された。一方、この5′Jγ1領域1.1kbをレポーター遺伝子につなげBa/F3細胞に導入すると、STAT5依存的およびIL-3依存的に転写が活性化された。また、これら3ヶ所のSTAT結合モチーフに突然変異を導入したDNAでは、STAT5依存的な転写活性が消失した。 2. 活性型STAT5によるγδT細胞の分化誘導 次に、IL-7R欠損マウスのT前駆細胞にレトロウイルスを用いてIL-7RやSTAT5を導入し、haging drop・胎児胸腺器官培養でT細胞に分化させた。まず、IL-7Rを導入したものでは、細胞数が劇的に増加し、γδT細胞も検出された。一方、活性型STAT5を導入したものでも、細胞数がある程度回復し、γδT細胞の分化が見られた。また、この時TCRγ遺伝子のV-J組換えも確認された。以上の結果より、IL-7Rのシグナル伝達分子の1つであるSTAT5がTCRγ遺伝子のgermline転写を誘導し、γ遺伝子座のrecombinaseに対するaccessibility上昇させV-J組換えを誘導するという可能性が支持された。
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