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自然免疫から獲得免疫への抗原認識機構の進化

研究課題

研究課題/領域番号 10167218
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

野中 勝  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40115259)

研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
キーワード補体系 / MHC / マボヤ / メダカ / 自然免疫
研究概要

1) マボヤ補体成分のクローン化と構造解析:既に報告している2種類のMASPに加えてC3の全構造を決定することにより、マボヤ補体が少なくとも3成分からなる系であることを明らかにした。マボヤC3はα-βの鎖構造やチオエステル結合など、脊椎動物C3の基本構造をよく保存していたが、C3転換酵素による切断活性化を受ける部位はかなり構造が異なっており、脊椎動物とは別の活性化酵素が働いている可能性が示唆された。また、マボヤ体腔液で処理することにより、血球細胞による酵母の貪食が促進されるが、マボヤC3に対する抗体はこの貪食促進作用を阻害し、C3がオプソニンとして働いていることが示された。
2) メダカMHCの構造解析:これまでにメダカMHCは多くの染色体に分散して存在し、両生類以上では連鎖の保たれているクラスI,II,III領域が別々の染色体上に分かれて存在することが示され、LMP2,LMP7間でのみ連鎖が確認されていた。今年度はTAP2のクローン化を行い、LMP2,LMP7と連鎖することを明らかにした。また、クラスIA遺伝子もこれらと連鎖していることを示す予備的な結果を得ており、MHCの中核をなすのはクラスIAとその抗原の提示過程に関与する遺伝子群であることが強く示唆された。また、C4と2種類のC3クローンを単離、解析した。2種類のC3はその一次構造からチオエステル結合の反応性に差があることが示唆され、獲得免疫系が未発達な硬骨魚においては、補体系が生体防御に、より積極的な役割を果たしている可能性が示された。2種類のC3遺伝子は連鎖しており、縦列遺伝子重複の産物と考えられた。しかしながら、C3,C4及び以前解析されたB因子遺伝子の間には連鎖は認められず、硬骨魚にはMHCクラスIII補体領域は存在しないものと思われた。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Salter-Cid,L.: "Expression of MHC class Ia and class Ib during ontogeny: high expression in epithelia and co-regulation of class Ia and lmp7 genes" J.Immunol.160. 2853-2861 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Nakao,M.: "Two diverged complement factor B/C2-like cDNA sequences from a teleost,carp (Cyprinus carpio)" J.Immunol.161. 4811-4818 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Endo,Y.: "Two lineages of mannose binding lectin-associated serine protease (MASP) in vertebrate" J.Immunol.161. 4924-4930 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Nonaka,M.: "Molecular genetics of the complement C3 convertases in lower vertebrates" Immunol.Rev.166. 59-65 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Nonaka,M.: "Opsonic complement component C3 in the solitary ascidian,Halocynthia roretzi" J.Immunol.162. 387-391 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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