研究課題/領域番号 |
10168221
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和田 守正 九州大学, 医学部, 助教授 (20220965)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | 酵母人工染色体 / YAC導入 / MDR1 / 発現クローニング / 位置効果 / DNAメチル化 / 遺伝子ファミリー / 薬剤耐性 |
研究概要 |
ヒトMDR1遺伝子および、それが属するABCトランスポーターファミリー遺伝子領域をモデルとして、YAC導入による機能解析法について以下の項目を検討した。その結果、【1】導入YACの動態の解析:YAC導入による位置効果非依存的発現は、導入DNAのメチル化からの回避によることを昨年度示唆した。今年度はさらに、(1)MDR1プロモーター領域のプラスミド、ファージクローンを用いた場合、約50%のトランスフェクタントでMDR1プロモーターのメチル化が観察されるのに対し、YACクローンを用いた場合、MDR1プロモーターのメチル化が観察されないこと、(2)このメチル化からの回避は、導入コピー数に非依存的であることを明らかにし、遺伝子移入にYACを用いる事により内在性遺伝子と同様のクロマチン構造、脱メチル化状態を維持出来る可能性が期待された。また、(3)YAC導入による機能解析により明らかになった、このメチル化によるヒトMDR1遺伝子のスイッチ・オン、オフは、急性骨髄性白血病などの臨床においても認められることを明らかにした。【2】導入効率の改善と巨大ゲノム機能解析のためのベクター系開発:YAC導入の全ての方法で、移入の効率を妨げている専断力を回避し、かつ巨大ゲノム機能解析のために、Cre-lox系を利用した「YAC環状化」ベクターを構築した。【3】遺伝子ファミリーのゲノム構成:ゲノムの設計原理にアプローチする一つの方法として、遺伝子ファミリーのゲノム構造、周辺の遺伝子構成を把握する。モデルファミリーとして、大腸菌で最大の遺伝子ファミリーであることが明らかになったATP結合カセット(ABC)トランスポーターを取り上げる。本年度は、MDR1遺伝子領域1.5Mbに関して、YAC DNAからのエクソントラップ法により遺伝子構成の詳細を把握した。また、ゲノム構造の特性、その破綻と疾病との接点を探っている。
|