研究課題/領域番号 |
10169204
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梅宮 正志 東北大学, 医学部, 助手 (50271911)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 培養神経細胞 / カルシウム / グルタミン酸 / NMDA型グルタミン酸受容体 / シナプス / Fluo-3 / 樹状突起 / AMPA / KA型受容体 |
研究概要 |
NMDA型グルタミン酸受容体(NMDA受容体)を介したシナプス後細胞へのカルシウム流入は神経の活動に依存したシナプス伝達の伝達強度の変化を引き起こす。NMDA受容体は細胞内カルシウム依存性にdesensitizationを示すことが知られている。又、NMDA受容体はカルシウム透過性が高いのでカルシウム依存性のdesensitizationはnegative feed-back mechanismとして働いている可能性がある。この可能性を検討するためにシナプス後細胞のシナプス部位のNMDA受容体を介したカルシウム流入による一過性カルシウム上昇(MECT)を記録した。単一シナプスにおけるMECTのcoefficient of variation(S.D./mean,CV)は0.28であった。このCVの値は数個(〜5個)のNMDA型受容体が1個のシナプス小胞からのグルタミン酸により飽和したとして予想されるCVよりも小さかった(0.30-0.38)。そこで、単一シナプスで活性化されるNMDA受容体の数あるいは、1個のNMDA受容体を透過するカルシウムの量を変化させる条件下でMECTのCVを測定した。AP-5(1mM)により活性化されるNMDA受容体の数が減少するが、CVは変化しなかった。一方、細胞外液に20mMのマグネシウムを加えることにより1個のNMDA受容体を通るカルシウム量を減少させるとCVは0.42に増加した(p<0.01)。さらに、細胞内のカルシウムバッファーを変化させるためにFluo-3を0.5mMから2mMに増やすとCVは0.37に増加した(p<0.05)。以上の結果より、NMDA受容体は各々のチャネルを通るカルシウムを介してfeed-back調節を受けておりNMDA受容体を介したシナプス反応はその変動が比較的狭い範囲に調節されていると考えられた。又、そのfeed-back mechanismはシナプスへのカルシウム流入よりも、個々のチャネル近傍のカルシウム濃度によって調節されている可能性が示唆された。
|