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シナプス前終末ミトコンドリア内カルシウム動態の可視化とシナプス可塑性

研究課題

研究課題/領域番号 10169208
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関群馬大学

研究代表者

神谷 温之  群馬大学, 医学部, 講師 (10194979)

研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードシナプス伝達 / カルシウム・イオン / 海馬
研究概要

海馬での長期増強現象(long-tem potentiation;LTP)に代表される中枢シナプス伝達の長期可塑性は、学習・記憶の基礎過程と考えられている。海馬CA1野シナプスで見られるLTPに関してはその誘発・発現機構が詳細に解析され、シナプス後細胞でのNMDA受容体の活性化が必須であることが示されている。これに対しCA3野苔状線維シナプスで見られるLTPはNMDA受容体の活性化を必要とせず、シナプス前部での誘発機構が推定されている。しかしながら一般的に中枢神経系におけるシナプス前終末は極めて小さく、スライス標本においてその活動状態を直接測定しシナプス前性の調節機序について詳細な解析を行うことはこれまで困難であった。本研究では、シナプス前性の可塑性誘発機構を検討するために、海馬スライス標本においてシナプス前終末部だけに選択的に蛍光カルシウム指示薬を負荷する方法を開発し、顕著な可塑性を示すCA1野およびCA3野シナプスでのシナプス前終末内カルシウム動態とEPSP(興奮性シナプス後電位)の同時測定を可能にした。特にCA3野では入力線維の単一刺激によるCa^<2+>上昇が単一シナプス前終末レベルで測定可能であった。現在この手法を用いてCA3野苔状線維シナプスでみられるシナプス前性LTPの発現機構について解析を試みている。また同様の手法を利用して、CA3野シナプスにおける代謝調節型グルタミン酸受容体を介したシナプス前抑制機構がシナプス前終末へのカルシウム流入の減少によることを明らかにした。また、同じくCA3野苔状線維シナプスにおいてシナプス前部にカイニン酸型グルタミン酸受容体が発現し、伝達物質放出を調節していることも明らかにした。
現在、CA3野シナプスに二種類の自己受容体(カイニン酸受容体と代謝調節型グルタミン酸受容体)が共存することの生理的意義について検討を行っている。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Kamiya: "Kainate receptor-mediated inhibition of presynaptic Ca^<2+> influx and EPSP in area CA1 of the rat hippocampus." Journal of Physiology. 509. 833-845 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] S.Ozawa: "Glutamate receptors in the mammalian central nervous system." Progress in Neurobiology. 54. 581-618 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] H.Kamiya: "Slow synaptic responses and modulation" K.Kuba,H.Higashida,D.A.Brown & T.Yoshioka(印刷中),

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 神谷温之: "脳神経研究の進めかた" 真鍋俊也、森寿、片山正寛, 5 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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