研究課題/領域番号 |
10169210
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
脊山 洋右 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90010082)
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研究分担者 |
内島 泰信 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90272426)
久保田 俊一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00260480)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | アンドロジェン / 雌雄差 / 脂質組成 / 阻害剤 / モニター系 / 分子脂肪酸 |
研究概要 |
ハーダー腺は眼窩に位置する外分泌腺ある。ゴールデンハムスターでは腺の主要な分泌脂質は1-アルキル-2,3-ジアシルグリセロール(ADG)であり、その組成に顕著な雌雄差が見られる。この特徴を利用して、生体へのアンドロジェンおよびアンチアンドロジェン作用を有する薬剤の効果を非侵襲的かつ経時的にモニター可能な系を確立することを目的とした。 ゴールデンハムスターにテストステロン(T)または抗アンドロジェンであるフルタミドを投与し、ハーダー腺分泌液の脂質組成の変化とSBCAD及びIVDの活性を測定した。なお、腺の分泌液の分析はTLCとGLCにより行った。また、酵素ならびにアンドロジェン受容体(AR)の遺伝子をクローニングし、mRNA量の変化を調べた。 SBCAD及びIVDの活性は去勢雄で、通常の雄に比べて低い値であった。これらにTを投与すると両酵素の活性は経時的に増加した。この変化は濃度依存的であった。酵素のmRNA量はアンドロジェン処理により増加した。また、分泌液中のADG組成は活性の上昇に伴い雌型から雄型に変化するのが観察された。ARはTの投与により、雌と去勢した雄でタンパク質量ならびにmRNA量が増加した。しかし、テストステロンと同時にフルタミドを投与した場合、酵素活性の誘導は抑えられ、ADGの組成には変化が見られなかった。 以上の結果、ゴールデンハムスターのハーダー腺では脂質の生合成を調節する酵素がアンドロジェンにより遺伝子レベルで調節を受けており、活性が誘導される様子が腺の分泌液を用いてTLCによりモニターできることが示された。このモニター方法はアンチアンドロジェン作用を有する物質の評価にも応用可能であることが示されたので、生体へのアンドロジェン作用を調節する物質の効果を非侵襲的かつ経時的にモニターする系として有効な手法であることが確認された。
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