研究課題/領域番号 |
10169211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和泉 孝志 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70232361)
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研究分担者 |
粂 和彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30251218)
清水 孝雄 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80127092)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 血小板活性化因子 / PAF受容体 / 脱感作 / 細胞内移行 |
研究概要 |
血小板活性化因子(PAF)はアレルギー反応、免疫反応などの主要なメディエーターの1つである。PAF受容体遺伝子はGタンパク質を介する7回膜貫通型の受容体であることが明らかにされたが、その構造と機能の関連や、疾患における役割については充分解明されてはいなかった。本研究では、1:PAF受容体遺伝子に変異を導入し哺乳動物細胞に発現させ、リガンド結合様式や解明や脱感作現象との関連を調べることにより、PAF受容体の構造と機能の関わりを検討すること、2:すでに確立しているPAF受容体トランスジェニックマウスとノックアウトマウスを用いて、疾患モデルにおける解析を行いこれらの病態におけるPAF受容体の果たす役割を検討することを目的とした。 PAF受容体のN末端に標識配列をつけ、リガンド刺激によるインターナリゼーションおよびリサイクリングを、標識配列に対する125I-標識2次抗体を用いた放射活性の測定、およびFITC標識2次抗体を用いた蛍光顕微鏡での観察により解析し、リガンド刺激によるPAF受容体の細胞内移行がクラスリン依存的であることを証明した。アゴニスト除去によりPAF受容体の再分布が観察されるが、このときPAF受容体は再感作されリガンドに対する応答性が回復していることが明らかにされた。 PAF受容体過剰発現マウス、PAF受容体欠損マウスおよびcPLA2欠損マウスを用いて生理活性脂質の成人呼吸窮迫症候群(ARDS)における役割を、塩酸の気道注入によるマウスモデルにおいて検討し、ARDSの発症にPAF受容体およびcPLA2が深く関与していることを示した。これは、PAFおよびアラキドン酸代謝物がこの疾患モデルにおける病態形成に重要な役割を果たしていることを示唆している。 本研究により、PAF受容体の構造と機能の解析が進み、さらに疾患モデルおける生理活性脂質の役割を明らかになったことにより、新たな治療法開発の可能性を示すことができた。
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