研究課題/領域番号 |
10169222
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
北出 幸夫 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20137061)
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研究分担者 |
中西 雅之 岐阜大学, 工学部, 助手 (00281048)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | SAHase / 抗ウイルス薬 / 抗癌薬 / アシクロヌクレオシド / 炭素環ヌクレオシド / SAH hydrolase / mRNAのキャップ構造 / 遺伝子組換え酵素 |
研究概要 |
アデノシルホモシステイン(SAH)は、アデノシルメチオニンをメチル基供与体とする生体内メチル化反応の結果として生成する化合物であり、SAHaseにより速やかに分解されなければ生体内メチル化反応が低下し、タンパク質合成や細胞機能に重大な障害を来す。そのため、本酵素(SAHase)は、抗ウイルス薬、抗癌薬、抗マラリア薬などの医薬品開発の標的となっているが、阻害剤の分子設計の指針となる酵素触媒機構の解明は十分とは言えない。そこで、本研究では、ヒト遺伝子組換えSAHaseを標的とする医薬品開発の基礎的知見を得るため、ヒトSAHaseの触媒機構の分子レベルでの解明とともに酵素反応機構を考慮した阻害薬開発のためのリード化合物の分子設計・合成を実施した。 我々は、天然型ヌクレオシドからアシクロヌクレオシドへの一工程による変換法を見出し、本法を用いて種々のSAHase阻害剤の合成研究を実施してきた。最近、糖部末端にホルミル基を有するアシクロヌクレオシドFDHPAを分子設計・合成した。FDHPAは、SAHaseによる酵素代謝を受けて活性化された後、ラベル化能を獲得するII型mechanism-based inhibitorとして機能するものと考えた。そこで、ヒト組換え型SAHaseを大量発現・精製し、本酵素を用いた実験によりFDHPAがII型mechanism-based inhibitorして機能することを明らかにした。また、その活性中心に塩基性残基が存在する知見も得た。得られた知見を基に医薬品開発を指向するリード化合物を検索するため、アシクロヌレオシド系および炭素環ヌクレオシド系化合物を分子設計・合成をした。そのなかの2、3の化合物にヒトSAHase阻害活性が認められた。
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