研究課題/領域番号 |
10169225
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 芳宏 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (50022702)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | DNAホスホロチオエート / DNA-アミノ酸複合体 / DNA-ペプチド複合体 / DNA合成 / アンチセンス核酸 / ホスホロアミダイド法 / アリル保護基 |
研究概要 |
ほぼ中性の温和な条件下、有機パラジウム反応を利用して除去できるアリル保護法を基盤に、アンチセンス核酸関連物質として重要でありながらも一般的に用いられる既存の方法では、脱保護に強力な塩基処理を必要とするため高収率、高純度合成が極めて困難あるいは不可能であった塩基に対して不安定なヌクレオチド-アミノ酸およびヌクレオチド-ペプチド共有結合性複合体、具体的にはセリンやトレオニン残基の水酸基とオリゴヌクレオチドの3'-末端あるいは5'-末端水酸基との間がリン酸エステルジエステルで架橋した複合体の高効率合成法を開発した。たとえば、既存の方法では純度60%でしか得られなかった(TGTCGACACCCAATT^<3'>p)Ser-GlyやSer(p^<5'>TTTTT)-Glyが90%以上の純度で、また既存の方法では得られなかったThr(p^<5'>TTTTT)やThr(p^<5'>TTTTT)-Glyが約80%の純度で合成できた。 一方、最近開発に成功したトリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリウムを促進剤に用いる塩基部無保護ホスホロアミダイト法を利用し、現在アンチセンス核酸の中でも最も有望なヌクレオチド誘導体であり、事実最近米国FDAでウイルス性網膜症の治療薬として認可されたオリゴDNAホスホロチオエート類の一般的な簡便合成法を開発した。本法は、従来法に比べ、合成原料が低コストで得られること、また過酷な脱保護操作を要しないため操作性に優れまた目的物を損失しないことなどの利点をもち、低コストによる大量供給が強く要求されるアンチセンス核酸のニーズに応え得る現在最良の方法との評価を得ており、今後の発展が大いに望まれる。
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