研究課題/領域番号 |
10169230
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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研究分担者 |
西村 有平 三重大学, 医学部, 助手 (30303720)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | プロテインキナーゼ / セリン・スレオニンキナーゼ / チロシンキナーゼ / プロテインキナーゼ阻害薬 / マイクロアレイ法 / ディファレンシャル・ディスプレイ法 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
プロテインキナーゼカスケードが細胞内シグナリングの中心的機構であり、数多くのプロテインキナーゼ阻害薬が開発されている。これらのプロテインキナーゼ阻害薬は、細胞レベルから個体レベルにおいて非常に興味深い薬理作用が明らかにされており、その分子機構を解明するこC二は、医学生物学上重要な研究課題である。 そこで我々はまず、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)にProtein Kinasc C(PKC)のactivatorであるPMAを作用させ、RNAフィンガープリンティング法を用い、PKCによる遺伝子発現プロフィールの解析を行った。次に、発現変動を示した遺伝子の中から特にMonocyte Chemoattractant Protein-1(MCP-1)とMCP-3について種々のプロテインキナーゼ阻害薬を用い、その発現調節機構の解明を試みた。その結果、以下の結果が得られた。 (1)HUVECsにPMA10nMを作用させると3時間後にMCP-1、MCP-3 mRNAはそれぞれ28倍と270倍になり、その後MCP-1 mRNA、MCP-3 mRNAは急速に減衰し、24時間後にはコントロールの1/10と遺伝子発現誘導後のRapid Decayがみられた。 (2)PMAによるMCP-1 mRNA、MCP-3 mRNAのGene Expressionに対して、PMA作用30分前にProtein Kinase C Inhibitor(GFX109203X 400nM)を加えると、PMA作用後3時間後のMCP-1 mRNA、MCP-3 mRNAのUP-regulationはcomplete inhibitionされた。 (3)TyrosineKinase Inhibitor(genistein 100nM)のPMA作用30分前の前処置ではPMAによる3時間後のMCP-1、MCP-3 mRNAのUp-regulationはともに90%程度抑制された。しかし24時間後にはMCP-1 mRNAはControlの3倍、MCP-3 mRNAはControlの30倍とPMA単独によるMCP-1 mRNA、MCP-3 mRNAの遺伝子発現誘導後のRapid Decayは抑制された。 今後、種々のプロテインキナーゼ阻害薬による遺伝子発現プロフィール変化をマイクロアレイ法や蛍光ディファレンシャル・ディスプレイ法にて解析し、変動遺伝子群による細胞増殖抑制作用の関連について検討を行う予定である。
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