研究課題/領域番号 |
10169235
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大高 章 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20201973)
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研究分担者 |
井深 俊郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80025692)
藤井 信孝 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | (E)-アルケン型ジペプチドイソスター / GRP / ボンベシン / 有機銅試薬 / 還元的アルキル化 / パラジウム触媒 |
研究概要 |
(E)-アルケン型ジペプチドイソスターは、元のジペブチドとの構造的相同性が非常に高くペラチドリード医゚薬品への応用が期待されている。我々は、これらの立体選択的合成法の検討やそれらを導入したべプチドイソスターの構造活性相関研究を行ってきた。今回,応用研究の一環として、既知のbombesin/GRPアンタゴニストをリード化合物とした.(E)-アルケン型ボンベシンイソスター(EABI:(E)-alkene bombesin isostere)の合成と抗腫瘍活性を検討した。 これらイソスターを合成する上で間題となったのは次の2点である。即ち:中間体合成時点で不要な立体の生成物の混入が避けられないことと,従来の方法では側鎖官能基の導入が困難であったことである。前者についではアジリジン中間体をPd(0)触媒による異性化反応を用いることにより解決した。また後者についではδ-メシロキシ-α,βPエノエートに対する有機銅試薬-ハロゲン化アルキルを用いた還元的アルキル化反応により克服可能であることを明らかにした。. アルケンイソスターのみを導入したEABI誘導体は、いずれも膵癌由来細胞株および小細胞肺癌由来細胞株において細胞増殖抑制活性を示さなかった。しかし、これらEABIにコハク酸リンカーを介して抗ガン剤として知られているPaclitaxelを導入するとPaclitaxel単独よりも強い抗腫瘍活性を示すことが明らかとなった。このことから、ボンベシンイソスターがGRPレセプターを介する抗癌剤のターゲティングベクターとして応用可能であることが示唆された。一方、パラジウムによる異性化反応や有機銅試薬を用いた還元反応を応用することにより、従来の問題点を解決すると共に,合成困難であったα位に官能基を有する(E)-アルケンイノスターを 位置および立体選択的に合成することに成功した。
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