研究課題/領域番号 |
10169241
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 資正 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40116033)
|
研究分担者 |
青木 俊二 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (60252699)
村上 啓寿 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00210013)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 海洋生物 / 海綿 / 細胞毒性 / がん多剤耐性 / ポリケタイド / callystatin A / leptomycin B / agosterol A |
研究概要 |
海洋生物由来の生物活性物質探索研究の過程で、海綿Cllyspongia truncataから培養腫瘍細胞に対して著しく強い細胞毒性(KB cellに対するIC_<50>=10pg/ml)を示す新規ポリケタイドca11ystatinA(1)を単離し、機器分析および合成化学的手法によりその全化学構造を決定している。しかしながら、1は微量成分であることより、in vivoでの作用および作用機序の解明を目的として全合成研究に着手し、1の始めての全合成に成功するとともに、我々の提出した絶対立体構造が正しいことを確認した。さらに、1の数種のアナログの合成を行い、これまでのところ活性発現に直接関与するのは1位から9位までの不飽和ラクトンと共役ジエンまでの構造単位であり、16位以降のβ-ヒドロキシケトン部分が活性増強に関与していることを見出した。 また、ca11ystatinA(1)と非常に類似した化学構造を有する leptomycinB(2)は、最近、核内蛋白の核外移行を阻害することで注目されているが、その平面構造しか明らかにされていなかった。そこで、今回、1eptomycinB(2)の全合成研究を展開し、その最初の全合成に成功し、絶対立体構造を明らかにすることができた。 一方、我々は抗癌剤排出膜蛋白の機能阻害に基づく癌多剤耐性克服物質の探索も進めており、海綿Spongia sp.から活性成分としてagosterolA(3)を見出した。3はP-糖蛋白質のみならずMRPを過剰発現する耐性株の多剤耐性も克服するとともに、MRPによる多剤耐性を克服する既知の耐性克服物質と比較して、より強い作用を示した。さらに、同海綿から得られた類縁体や3から化学変換した誘導体の活性を比較検討し、活性発現の必須構造を解析している。
|