研究課題/領域番号 |
10169263
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
川畑 正博 癌研究会, 癌研究所 生化学部, 主任研究員 (60224838)
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研究分担者 |
石堂 康弘 癌研究会, 癌研究所 生化学部, 研究員 (10300740)
花井 順一 癌研究会, 癌研究所 生化学部, 研究員 (70261964)
今村 健志 癌研究会, 癌研究所 生化学部, 研究員 (70264421)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | セリン・スレオニンキナーゼ / レセプター / TGF-β / Smad / リン酸化 / ショウジョウバエ |
研究概要 |
(1)ショウジョウバエの新規SmadであるMedeaおよびdSmad2を同定した。Madはレセプターによりリン酸化されMedeaと複合体を形成した。その結果、細胞質から核内へと移行した。DadはMadのリン酸化を阻害することによりMadおよびMedeaによるシグナル伝達を抑制した。以上より、Smadによるセリン・スレオニンキナーゼ型レセプターのシグナル伝達はショウジョウバエと哺乳類との間で保存されていることが明らかとなった。 (2)Smad2およびSmad3はTGF-β刺激の無い状態では単量体として存在することを明らかにした。これらのSmadはTGF-βレセプターによりリン酸化されるとホモ多量体およびSmad4とのヘテロ複合体を形成した。Smad2とSmad4がヘテロ多量体形成に当たっては競合することから、結合部位を共有していることが示唆された。Smad3のホモ多量体およびSmad3-Smad4のヘテロ多量体のいずれもDNAへの結合能を示した。以上より、各Smadはリガンド刺激の無い状態では単量体として存在し、リガンド刺激に応じてホモおよびヘテロ多量体(おそらく、いずれも3量体)を形成し、DNAに結合することが明らかとなった。 (3)Smadと転写コアクチベーターとの相互作用:Smad2およびSmad3はTGF-βの刺激に応じてp300と結合した。p300はTGF-βによるレポーターの活性化を促進した。一方、p300と結合するアデノウイルス蛋白であるE1AはTGF-βの転写活性化を阻害した。Smadとの結合を欠くp300はTGF-βによる転写活性化を抑制した。以上よりTGF-βによる転写活性化にはp300(あるいはCBP)が必要であると考えられた。
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