研究課題/領域番号 |
10170208
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 敦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30235098)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | タバコ(Nicotiana tabacum) / BY-2 / 色素体 / ミトコンドリア / 転写 / DNA複製 / RNAポリメラーゼ / DNAポリメラーゼ |
研究概要 |
本研究は、単離色素体核・ミトコンドリア核を用いたin vitro転写/DNA合成系を活用し、特にDNAおよびRNAポリメラーゼに注目しつつ、(1)これらオルガネラのDNA複製/転写系が互いにどのような影響を及ぼしつつ進化してきたか、(2)植物細胞の増殖・分化過程(特に光合成機能獲得過程)において両オルガネラの複製/転写機能がどのような機構により統合的に制御されているか解明することを目的とする.今年度は、色素体およびミトコンドリアのDNAポリメラーゼの性質の比較ならびに細胞増殖・分化過程におけるオルガネラDNA合成活性の変化について重点的に解析を行った.主要成果は以下のとおりである. 1. タバコ培養細胞BY-2から単離した原色素体核およびミトコンドリア核はDNA合成活性を保持していた.ゲル内アッセイの結果、両オルガネラ核はいずれも見かけの分子量約116kDaのDNAポリメラーゼを含んでおり、各種クロマトグラフィーにおける挙動も含めて両DNAポリメラーゼの性質は酷似していることが確認された.この結果は、DNAポリメラーゼもT7ファージ型の色素体/ミトコンドリアRNAポリメラーゼのように、オルガネラ間での共通化という方向へ進化してきた可能性を示唆する. 2. DAPI蛍光顕微鏡観察、定量的サザンハイブリダイゼーション、チミジンのアナログであるBrdUの取り込み、ならびに単離オルガネラ核のin vitro DNA合成活性の測定等の手法を用いた解析の結果、タバコ培養細胞BY-2の増殖過程において、色素体とミトコンドリアのDNA合成活性は植え継ぎ後3〜6時間でほぼ同時に活性化されるが、活性が低下するタイミングは若干異なることが示された.アサガオ花粉およびイネ子葉鞘における観察の結果も、色素体とミトコンドリアのDNAの増加・減少は、互いに独立に制御され得ることを示した.
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