研究課題/領域番号 |
10170218
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
豊島 喜則 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (60013166)
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研究分担者 |
椎名 隆 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (10206039)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1998年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 葉緑体 / 転写 / プロモータ / 核 / 形質転換 / シグマ因子 |
研究概要 |
「目的」 本研究は、葉緑体に存在する2種のRNAポリメラーゼのうち、光合成遺伝子の転写にかかわる葉緑体コードのRNAポリメラーゼ(PEP)に焦点を当て、その機能転換にかかわる核-葉緑体間のシグナル伝達の分子機構を明らかにすることを目的とした。 「結果・考察」 1. 光化学系IIのD2タンパク質をコードする葉緑体psbDプロモータからの転写が、 恒明条件下で24時間周期の概日リズムによる活性変化を示すことを明らかにした。 2. PEPのシグマサブユニットである核コードのsigA遺伝子のmRNAレベルが、psbDプロモー夕の活性変化と全く同じ24時間周期の概日リズムを示すことが分かった。 3. Run-On解析から、葉身下部では殆どのPEPプロ毛一夕が光条件に依存せず恒常的に転写されているが、伸長生長が終了した上部では、psbAとpsbDプロモータのみが光応答的に転写されていることを示した。さらにin vitro転写でのプロモータ解析から、葉身下部のPEPは転写開始に-35および-10配列を要求するが、上部の葉緑体PEPは、Extended-10プロモータ配列(psbAプロモータ)あるいは上流エンハンサー配列(psbDプロモータ)を認識することで-35配列を欠いたプロモータからも転写を開始できることを明らかにした。このPEPのプロモータ認識性の変化にシグマ因子が関与している可能性を検討する。 4. psbAプロモータのコントロール下でGFPを発現させるタバコ葉緑体形質転換体を作成した。蛍光観察から、GFPが葉緑体で特異的に発現していることが確認された。一方、-35配列を破壊した変異プロモータの活性は、野生型に比較して低かった。今後、この系を利用して発達ステージに伴ったPEPのプロモータ認識性の変化についてin vivoで検討する。
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