研究課題/領域番号 |
10171210
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
門松 健治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80204519)
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研究分担者 |
村松 寿子 名古屋大学, 医学部, 助手 (50182134)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ミッドカイン / TGF-βスーパーファミリー / プレイオトロフィン / 中胚葉誘導 / 神経誘導 / 海馬歯状回 |
研究概要 |
今年度、我々は個体発生におけるヘパリン結合性成長因子、ミッドカインMKの作用機構を解明する目的で、以下の3点に焦点を絞って研究を進めた。 1. TGF-betaスーパーファミリーとMKの相互作用:アフリカツメガエルに初期胚への注入実験で、MKとアクチビンが共同して頭部神経組織をつくること、その際アクチビンの中胚葉誘導作用がMKによって抑制されることを明らかにした。さらにBMPの細胞内シグナル伝達の担い手であるSmad1とMKの同時注入ではBMP/Smad1による中胚葉誘導がMKによって抑制されるが神経組織誘導は起こらなかった。以上の結果はTGF-betaスーパーファミリーとMKの間にクロストークの機構がある可能性を提示したと言える。 2. MKノックアウトマウスの神経発達の解析:MKノックアウトマウスは、胎生期発達や生殖能に障害はなかったが、出生後海馬の歯状回の発達が一過性に遅滞することが組織化学的に判明した。一方、短期記憶や情動の障害が、生後4週でMKノックアウトマウスでみられた。さらに、出生後中枢神経においてMKは歯状回で特異的に発現することがわかった。以上のことは、MKが海馬歯状回の発達に重要な役割を担っている可能性を示唆する。 3. MK受容体の解析:細胞膜上のMK結合蛋白として400kDaを越える高分子量蛋白を見いだした。この蛋白は固相化されたMKと結合し、ヨードラベルされたMKとクロスリンクされる。現在この分子のクローニングを準備しているが、このことによりMKの作用機構の解明は飛躍的に進歩すると期待される。
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