研究課題/領域番号 |
10171213
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高田 慎治 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60206753)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 発生 / 形態形成 / 細胞間相互作用 / 受容体 / シグナル分子 |
研究概要 |
本研究ではWnt-3aシグナルの受容機構が発生過程で時間的空間的にどのように制御されているのかという問題を追及することを目的として、マウス胚におけるWnt-3a受容体の同定とその発現パターンの解析を行った。Wntシグナルの受容体としては、近年ショウジョウバエにおいてfrizzledが同定され、脊椎動物においても少なくとも9つのfrizzled遺伝子のクローニングが報告されている。一方、我々は川上と濃野によってニワトリからクローニングされた新規のfrizzled遺伝子(以下、frizzled-Xと呼ぶ)をプローブにして、そのマウスホモログのクローニングに成功した。この遺伝子は他のfrizzled遺伝子と同様7回膜貫通型の膜タンパク質をコードし、細胞外領域にはWntタンパク質との結合に関与すると考えられるcystein rich domainが存在していた。その発現は9.5日胚においてWnt-3aのシグナルによって増殖が促進される神経管の背側領域に認められたが、Wnt-3aが細胞増殖以外の作用を引き起こす沿軸中胚葉の前駆細胞や体節では認められなかった。このことから、frizzled遺伝子の発現そのものがWntシグナルに対する応答の多様性を決める一因になっている可能性が考えられた。また、以上の発現部域の他にも肢芽のapical ectodermal ridge発現していた。次に、同定された受容体がWntシグナルの役割の多様性の形成にどのように関連するのかを明らかにするため、受容体の欠落した変異体マウスを遺伝子ターゲティングで作製しようと考え、これまでにfrizzled-Xの遺伝子DNAをクローニングし、ノックアウトマウスの作製に必要なターゲティングベクターの作製を行った。
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