研究課題/領域番号 |
10171220
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
日比 正彦 大阪大学, 医学部, 助手 (40273627)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ゼブラフィッシュ / 背腹軸決定機構 / Nieuwkoopセンター / Spemannオーガナイザー / dharma / bozozok / 卵黄多核層 / 頭部形成 |
研究概要 |
両生類における背腹軸の決定は、受精に引き続き植物極背側に形成されるNieuwkoopセンター、それにより背側赤道上に誘導されるSpemannオーガナイザーの形成、及びオーガナイザーからの誘導シグナルが重要な役割を果たしていると考えられている。本研究において、ゼブラフィッシュ初期原腸胚より発現cDNAライブラリーを作成し、それより合成したmRNAを受精卵に注入し、ゼブラフィッシュ胚を背側化する新規遺伝子dharmaを同定した。dharmaはpaired型ホメオボックス遺伝子であり、接合遺伝子としては最初期に予定背側部の胞胚細胞に発現し、胞胚期後期には卵黄多核層の胚側に発現が限局することを見い出した。dharma mRNAの受精卵への注入によって、オーガナイザー及びそれに由来する組織が拡大あるいは異所的に形成されたdharma mRNA注入受精卵を用いた卵黄移植実験、dharma mRNAの卵黄への限局注入実験により、dharmaの発現した卵黄多核層は細胞非自律的に近接した胞胚細胞をSpemannオーガナイザーになるよう誘導していることを明らかにした。また、オーガナイザー・中軸中胚葉・前脳形成の形成に異常を有するゼブラフィッシュ変異体bozozokの責任遺伝子がdharmaであることを見い出した。以上の結果より、dharma遺伝子はゼブラフィッシュにおける卵黄多核層背側でのNieuwkoopセンターの形成・機能および中枢神経前部の領域化に重要な役割を担っていることを明らかにした。
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