研究課題/領域番号 |
10171225
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学究センター, 教授 (50211305)
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研究分担者 |
小倉 裕範 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (60304557)
中村 隆範 香川医科大学, 教授 (70183887)
土田 邦博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (30281091)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | アクチビン / フォリスタチン / PDZドメイン / WWドメイン / アクチビン受容体 / 神経細胞 / 神経幹細胞 / 分化 |
研究概要 |
本研究では、初期発生におけるアクチビン-フォリスタチン系の解明を目的としている。本年度は特にアクチビンII型受容体と細胞内で相互作用する分子の同定と脳・神経系特異的に発現するアクチビン受容体の神経幹細胞.分化に伴う消長について検討を加え次のような成果を得た。 1, アクチビンII型受容体と相互作用する分子の同定 アクチビンII型受容体はリガンド結合能およびI型受容体のリン酸化活性をもつが、構造的に多様であり、これらの作用以外にさらに未知の機能を持つことが予想される。そこでIIA型受容体の細胞内領域と結合する分子を酵母2-ハイブリッド法により探索した。その結果、ARIP1を単離し、その構造を解析したところ、5個のPDZドメイン、2個のWWドメインおよび1個のグアニレートキナーゼドメインを有する分子であることが判明した。ARIP1はアクチビンIIA型受容体のC末端配列を認識して特異的に結合し、他のTGFβファミリーの受容体には結合しないことが分かった。また、ARIP1の過剰発現によりアクチビンの細胞内シグナル伝達が抑制された。神経系でのアクチビン作用の制御に関与していることが示唆された。 2, 神経細胞特異的アクチビン受容体 我々が先に同定した脳・神経系特異的アクチビンII型受容体ヴァリアント(IIAN型)のマウス神経系多分化能幹細胞MEB5の分化過程における発現を追跡した。その結果、IIAN型受容体は未分化状態のMEB5細胞では発現は認められなかったが、分化を誘導すると、神経細胞にのみその発現が認められ、アストロサイトやオリゴデンドロサイトには発現は観察されなかった。また、LIFによるMEB5細胞のアストロサイトへの分化誘導がアクチビンにより促進された。アクチビンが神経系細胞の分化と深く関わっていることが示唆された。
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