研究課題/領域番号 |
10171229
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
西駕 秀俊 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (60131918)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ホヤ / 原索動物 / 形態形成 / ホメオボックス遺伝子 / ボディプラン |
研究概要 |
本研究では、ホヤの胚発生におけるホメオボックス遺伝子の機能および発現制御機構の解析を行い、ホヤのポディプランを解明し、脊索動物に基杢的なボディプランを推察する。平成10年度は、以下のような成果を得た。 (1) ホヤのホメオボックス遺伝子の機能解析:mRNAの胚へのマイクロインジェクションによる強制発現実験により、ホメオボックス遺伝子のホヤ胚発生における機能の解析を行った。その結果、ホヤのOtx相同遺伝子Hrothは、正常発生では、動物半球の細胞において表皮の発生運命を抑制し、神経の発生運命を促進していること、植物半球では内胚葉前駆割球において脊索、筋肉の運命を抑制していることが示唆された。 (2) ホヤの中枢神経系の領域化:脊椎動物胚との比較:我々は、ホヤ幼生の中枢神経系におけるHroth、HrHox-1の発現域が胚の前後軸に沿って並ぶこと、2つの発現域の間にはPax遺伝子Pax2/5/8が発現すること、そしてこの状況は、脊椎動物の前・中脳、後脳、後脳前端部においてそれぞれOtx2、Hoxb-1、Pax-2が発現することとよいパラレリズムを示すこと等を明らかにしてきた。このようなパラレリズムがどの程度まで認められるのかを知るため、今回ホヤのemx相同遺伝子Hremxを単離し、その構造、発現を調べた。得られた遺伝子Hremxはホメオドメインの類似性およびN末にems/emxタンパク質に保存されたモチーフが認められる点でemx相同遺伝子と考えられた。Hremeは尾部両側の表皮の系譜、および胴部前方の表皮の系譜で発現するが、中枢神経系では発現が認められなかった。このことは、ホヤ胚の中枢神経系の領域化にはemx相同遺伝子の関与がないことを示しており、この点でホヤは脊椎動物あるいはショウジョウバエと異なっている。
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