研究課題/領域番号 |
10171239
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
有賀 純 理化学研究所, 分子神経生物学研究室, 研究員 (10232076)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | Zic / 転写因子 / 遺伝子ターゲティング / 神経発生 / 神経板 / 神経提 / 骨格異常 / 二分脊椎 |
研究概要 |
Zicファミリーはマウス小脳顆粒細胞に強く限局して発現する遺伝子群として見いだされ、ショウジョウバエのpair-rule遺伝子Odd-paiI-cdのホモログでありことなどが明らかとなっている。今年度は、神経管の背腹軸に沿った形態形成、外胚葉のパターン化、椎骨の形態形成におけるZicファミリーの役割の解明に焦点を合わせた。 (1)マウスZiclの神経発生における役割。 Zicl小脳において最もmRNA含量が高く、Ziclに変異を持つマウスでは小脳の低形成、小葉パターンの異常が観察される。今年度はこのマウスの小脳以外の神経系の異常の検討を行った。生後15週へテロマウス、生後0日、ホモ及びヘテロマウス、胎児齢15日目のホモマウスについて、形態定量的解析を含む形態学的な解析を行った。その結果、生後15週齢においても、すでに3週齢で観察したのと同様なホモマウス、ヘテロマウスにおける小脳の低形成が認められた。また、生後のホモマウスでは橋核、下オリーブ核などの後脳背側の神経組織由来の神経細胞数、脊髄の背側の感覚性の介在神経細胞数に有意な減少が認められた。形態学的解析はZicl背側の神経管の細胞増殖調節において役割を示すものであり、この結果はZiclの発現バターンともよく合致している。 (2)神経板、神経堤形成におけるツメガエルZicファミリーの役割Zicファミリーが外胚葉の運命決定、部域化において中心的な役割を果たす因子の一つであることを明らかにした。(3)Zicファミリーの椎骨の形態形成における役割。Zicファミリーの沿軸中胚葉、特に硬節の発生における役割を明らかにするために、Ziclの変異マウスに現れた骨格系の異常を検討した。その結果、変異Ziclホモ接合体では、椎骨、肋骨の形態に異常が認められることが明らかになった。このうち椎骨では背側の椎弓の異常が最も顕著で前後の椎弓との融合、練突起の欠失、正中での椎弓融合不全が認められた(潜在二分脊椎症)。
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