研究課題/領域番号 |
10172202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
斧 秀勇 山形大学, 医学部, 助教授 (40160915)
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研究分担者 |
井内 良仁 山形大学, 医学部, 助手 (60272069)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 蛋白質膜透過 / 分子シャペロン / 熱ショック蛋白質 / ミトコンドリア内膜 / ミトコンドリアマトリックス |
研究概要 |
これまで報告しているように、我々は兎網状赤血球細胞質画分より分子シャペロンと考えられる28kD細胞質因子(CF28)の単離に成功し、CF28がMt蛋白質前駆体-Mt間の認識結合の過程に関与している事を証明した。そこでラット肝Mtを用いた系で輸送、仕分け反応、及びMt定着後の蛋白質の機能発現に分子シャペロンがどのように関わっているかを解析したところ、これまで以下の結果を得ることができた。 1) 細胞質因子CF28がこれまでに報告されている細胞質分子シャペロンMSFなどと異なる因子であることが明らかになり、その作用機作を詳しく解析してきたが、その研究の過程で、細胞質因子CF28と異なるN-エチルマレイミドに感受性を示さない新しい因子をラット肝細胞質画分中に見い出した。しかも、その因子はプレシークエンス型前駆体蛋白質のみに特異的な因子と考えられた。また、この新因子は前駆体を輸送反応に有利な形状に維持するタイプの因子ではなく、プレシークエンス型前駆体とミトコンドリア間の認識・結合に関与する因子と考えられた。 2) 膜間区画酵素であるコプロポルフィリノーゲン酸化酵素(CPO)の輸送反応系を確率した。さらに、そのプレシークエンス部分のC末端にDHFRを融合させたキメラ蛋白も調製し、仕分け反応についての解析に利用した。その結果、CPO前駆体は中間体を経て、膜間区画に輸入されることが明らかになった。また、その高次構造形成は中間体の段階でおきていることが示唆された。したがって、膜透過反応と同時にある程度高次構造の形成がおきていると考えられる。現在、高次構造形成の因子がミヨコンドリアのどの画分に存在するか検討中である。 以上の成果より、未知の可溶性因子をラット肝細胞質画分中に発見することができた。また膜間区画における蛋白質高次構造形成に関して貴重なヒントが得られた。
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