研究課題/領域番号 |
10172235
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
村田 昌之 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (50212254)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ゴルジ体 / 細胞内小胞輸送 / セミインタクト細胞 / GFP / 細胞極性 |
研究概要 |
極性細胞内の小胞輸送におけるVIP17等の蛋白質の機能を研究するための新規な細胞内小胞輸送アッセイ系を確立した。まず、ゴルジ体局在化シグナルを持つガラクトシルトランスフェラーゼと緑色蛍光蛋白質(GFP)との融合蛋白質(GFP-GT)を、恒常的に発現しているCHO細胞・MDCK細胞を得た。蛍光性膜蛋白質(GFP-GT)をプローブとすることにより、共焦点レーザー蛍光顕微鏡・超高感度ビデオ付き蛍光顕微鏡。エバネセント蛍光顕微鏡下で、「単一」の細胞内のGFP-GTの輸送過程を経時的に追跡できた。また、フォトカウントシステムを用い、小胞体→ゴルジ体間の輸送のキネティックスを「定量的」に解析することができた。この結果、輸送小胞には少なくとも3種類の小胞があり、それぞれが微小管依存的にダイナミックに動く様子が世界で初めて観察できた。また、ストレプトリシンO(SLO)を用いて形質膜を部分的に透過性にしたセミインタクト細胞内で、この輸送過程を、ATP再生系とL5178Y細胞の細胞質を用い再構成することに成功した。セミインタクト細胞内での輸送過程を上記顕微鏡システムを用いて追跡・解析した結果、小胞体からゴルジ体への輸送過程をATP-依存的な過程、ATP-細胞質-依存的な過程の、少なくとも2つの素過程にdissectionすることができた。また、輸送に関わる中間体としてダンベル状の大きさ約0.3-0.5μmの輸送小胞が頻繁に観察され、ATPをdepletionした場合、その数は激減した。この中間体が、今まで報告されている「intermediate compartment」又は「pre-Golgi structure」である可能性が高い。この再構成システムを用いることにより、それぞれの過程に関与する細胞質因子や、輸送中間体(小胞)のダイナミクスを制御する因子の検索が可能となった。
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