研究課題/領域番号 |
10173223
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
西村 善文 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (70107390)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | c-Myb / HSF / ATF-2 / NMR / 構造生物学 / DNA結合ドメイン / 立体構造 / 転写活性化ドメイン |
研究概要 |
構造的な解析を新たに行ったのは、原がん遺伝子産物であるc-MybのDNA結合ドメインとDNAとの複合体での動的構造の解析、c-MybのDNA結合ドメインとHSF-3のDNA結合ドメインとの相互作用、基本転写因子のTFIIEのドメインの立体構造の解析、大腸菌のリン酸レギュロンの転写を制御するPhoBのDNA結合/転写活性化ドメインの立体構造の解析、c-Myb様の構造を持っているテロメア結合タンパク質hTRF-1のDNA結合ドメインの立体構造の解析とATF-2の転写活性化ドメインの立体構造の解析である。 ATF-2はcAMP応答配列(CRE)に結合する転写因子で、紫外線や薬物などの細胞ストレスに応じて活性化される。ATF-2はN末に転写活性化ドメインをC末にDNA結合ドメインを持っている。ATF-2の転写活性化ドメインの立体構造を各種のNMRの測定を行うことによって決定した。転写活性化ドメイン中のN末サブドメインは特定の立体構造を取っているがC末サブドメインは全くランダムでフレキシブルな構造であった。N末サブドメインはC2H2型のZnフィンガー様の構造を取っている。N末に2本のβ鎖からなるβシートがありC末に1本のαヘリックスがある。Zn原子の配位やβシートとαヘリックスを安定化させている疎水的なコアを形成しているアミノ酸の配同等も過去に報告されているZnフィンガーモチーフと非常に良く似ている。しかしDNAに結合するZnフィンガーモチーフで非常に良く保存されているリン酸骨格と相互作用するアミノ酸はN末サブドメインでは系統的に他のアミノ酸に置換されている。また静電ポテンシャルを描いてみるとDNA結合ドメイン中のDNA結合性Znフィンガーモチーフでは表面が正電荷を帯びていて、DNAに結合しないZnフィンガーでは負電荷を帯びている。しかしN末サブドメインはほとんど中性で表面に疎水的なアミノ酸から構成される疎水性のパッチがある。
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