研究課題/領域番号 |
10173226
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
太田 力 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助手 (10290892)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | クロマチン構造 / 転写 / SWI蛋白質複合体 / 核マトリックス |
研究概要 |
1. 研究目的: 真核生物のゲノムDNAは生体内では、ヒストンと結合しクロマチン構造をとっている。従って、多くの生体反応は以下の2つのステップを経て行われると思われる。(1)まず、高度に折り畳まれたクロマチンが開く。(2)次に、生体反応開始蛋白か開いたクロマチンDNAを認識し、作動する。従来の生体反応の研究は(2)のステップに関するものがほとんどで、このステップについては膨大なデータが蓄積しつつある。一方、(1)のステップに関する研究はDNAase超感受性領域の検索といった研究しかなされておらず、(2)のステップの研究に比べて非常に遅れている。真核生物の生体反応調節機構を解明する上で(1)の研究は(2)の研究同様に非常に重要と思われる。 近年、酵母を用いた遺伝学的解析から上記2つの転写反応ステップに関与するSWI遺伝子が同定された。 そこで、本研究はクロマチン構造を介した転写制御機構を生化学の手法を用いて解明することを目的とした。 2. 研究成果: ヒトSWI蛋白質の1つのサブユニット(SWI2)の抗体を作成し、western法をアッセイ系に用いてHeLa細胞からスモールスケールでヒトSWI蛋白質の精製を行い、約80%精製のヒトSWI蛋白質複合体画分を得た。In vitroクロマチンDNA再構成系を用いて、精製したヒトSWI蛋白質複合体がクロマチン構造がもたらす転写抑制効果を解除する機能を持つことが明らかになった。 また、ヒトSWI蛋白質複合体のクロマチン構造がもたらす転写抑制効果を解除する機能にはコファクターが必要であることも明らかになった。更に、ヒトSWI蛋白質複合体は核マトリックスと結合することも明らかになった。
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