研究課題/領域番号 |
10173230
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
澁谷 浩司 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (30261324)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | BMP / DIx5 / 骨分化 / 腹側中胚葉 / TAK1 / Smad / ATF2 |
研究概要 |
BMPは骨、軟骨形成、発生、分化の形態形成において重要な役割を果している。マウス骨芽細胞株MC3T3-E1細胞より、BMP処理特異的に発現誘導される遺伝子としてDlx5を単離した。Dlx5は成熟マウスにおいてBMPの発現の高い脳と骨格組織に特異的な発現がみられた。またマウス胎児をin vitroでBMP処理し、Dlx5の発現を調べたところ、鰓弓に限局した顕著な発現誘導が観察された。BMPによるDlx5の発現誘導は組織レベルやin vivoの骨形成過程においても示された。CHXを用いた実験から、その発現誘導には新たなタンパク合成を必要としないBMP初期応答遺伝子であることもわかった。またDlx5を構成的に大量発現するMC3T3-E1骨芽細胞株を樹立したところ、骨形成に必須と考えられているCbfa-1の新たな発現誘導することなく高レベルのアルカリホスファターゼ活性に加え、コラーゲンやオステオカルシンといった細胞外マトリックス蛋白の生成量の顕著な増加がみられ、骨芽細胞分化が亢進していることがわかった。このことはBMPが少なくともDlx5発現誘導を介して骨芽細胞分化を誘導する可能性を示した。さらにはXenopus初期胚を用い、Dlx5を大量発現することによりBMPと同様な腹側中胚葉の誘導を引き起こせることも明らかとした。 一方、TAK1とSmadのシグナル伝達経路上でのクロストークがATF2を介していることを見いだした。すなわち、TAK1はp38を介してATF2をリン酸化し、活性化する。またSmad3およびSmad4はATF2と複合体を形成し、PAI-1の様な標的遺伝子を活性化するのである。この事実はこれまでTAK1の作用とSmadの作用がある程度同様である(PAI-1の転写活性化等)ことが転写因子レベルでのクロストークであることを示している。
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