研究課題/領域番号 |
10174206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, 薬学部, 教授 (60089597)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | OppAmRNA / SD配列 / 開始コンドAUG / ポリアミン / eIF4E / eIF4G / s'-UTR |
研究概要 |
1. 4種の塩基配列が少しずつ異なるOppA mRNAの開始領域130merより成るRNAを合成し、fMet-tRNAのリボソームへの結合のポリアミンによる促進とポリアミンによるRNAの構造変化を検討した。その結果、ポリアミンはShine-Dalgarno(SD)配列と開始コドンの二次構造を弛めること、及びOppA mRNAはSD配列と開始コドンAUGが12ヌクレオチドと通常のmRNAに比べて間隔が開いているが、この間隔を狭めることによりfMet-tRNAのリボソームへの結合を促進し、OppA合成を促進していることが明らかとなった。 2. 動物の蛋白質合成開始の律速段階である40Sリボソーム亜粒子の開始コドンAUGまでのmRNA上のスキャニングにはeIF4F(4A、4E、4G複合体)と、eIF4BによるRNAへリカーゼが重要な役割を果たす。カナダのSonenbergのグループは4Eの過剰産生ががん化を引き起こすこと、また私達は4Gの過剰産生ががん化を引き起こすことを見出した。この両者のがん化の違いを検討したところ、4Eの場合はリン酸化が重要であり、mRNAの5′-非翻訳領域(5′-UTR)が比較的短いmRNAか6の蛋白質合成 が促進を受けた。一方、4Gの場合は5′-UTRの長いmRNAからの蛋白質合成が効率よく促進された。従って、4E及び4Gの過剰産生によるがん化の機構は異なっていることが示唆された。現在、4Eのリン酸化、5′-UTRの長さの異なるmRNAからの蛋白質合成に対するポリアミンの効果を検討中である。
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