研究課題/領域番号 |
10174210
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
萩原 正敏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10208423)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | mRNAファクトリー / SF2 / ASF / SRPK / speckled patterm |
研究概要 |
SRPK1はSF2やSC35などのSRドメインをリン酸化する酵素として、1994年にGuiらがHela細胞よりSR蛋白リン酸化酵素を精製し、cDNAクローニングしたリン酸化酵素である。最近我々は、このSRPK1と分裂酵母の細胞周期制御遺伝子Dsk1の高い相同性に着目して、マウス脳mRNAより新規のSR蛋白リン酸化酵素をクローニングし、SRPK2と名付けている。大腸菌で発現させたSRPK1とSRPK2を用いて、GST-SF2 Pull-Down Kinase Assayを行うと、両酵素ともSF2/ASFに結合してリン酸化活性を示した。実際に細胞内でもSF2/ASFとSRPKが複合体を形成していることを、共沈実験で確かめている。このSF2/SRPK複合体の形成にはRSドメインが必須で、RSドメインのリン酸化状態により両者間の親和性が異なる。さらに面白いことには、CREB/CBP複合体形成とは逆に、リン酸化されていないSF2/ASFとSRPKは複合体を形成するが、リン酸化されたSF2/ASFとSRPKはもはや給合しなかった。これだけなら、単に、酵素と基質が結合したて、酵素反応が終わると解離するだけだとも理解できる。 SRPKなどSR蛋白をリン酸化する酵素を過剰発現させた細胞内で、核内speckle様構造が崩壊しSF2/ASFは核外に移行する現象が観察されていた。ところが、ATP結合部位を点突然変異により改変してリン酸化活性を喪失させたSRPK2^<K103R>をHela細胞内で発現させたところ、驚いたことに、核内でspeckled patternを示したいたSF2/ASFは核外に移行した。この現象から、SF2/ASFの核外移行は、本稿で述べてきたSF2/ASFとSRPKの複合体形成によるためではないかと考え、SRPK1のSF2結合部位欠損ミュータントSRPKl^<553-580>を作製し、同様にHela細胞内で発現させると、SF2/ASFは核内にとどまりspeckled patternを示した。
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