研究課題/領域番号 |
10174212
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
内海 利男 信州大学, 繊維学部, 助教授 (50143764)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | リボソーム / リボソームRNA / リボソームタンパク質 / 毒素 / GTPase / RNA-タンパク質相互作用 / Pタンパク質 / ペプチド鎖伸長因子 |
研究概要 |
GTP水解活性はタンパク質生合成の速度と正確さに密接に関わる重要な反応である。この反応にリボソームRNA中の"GTPaseドメイン"と"毒素ドメイン"と呼ばれる二つの部位とリボソームstalkタンパク質成分が関わることが示されていきたが、リボソーム粒子中におけるこれらの位置と機能面の関係は明確にされていない。本年度は、動物細胞から調製したリボソームstalkタンパク質複合体(Pタンパク質複合体)と両RNAドメインとの相互作用を解析し、以下のような成果が得られた。 1) ラットPタンパク質複合はrRNAのGTPaseドメインと毒素ドメインの両部位に結合する 昨年度までの研究で、Pタンパク質複合体のGTPaseドメインへの結合は示されたが、今回動物28S rRNAの毒素ドメインを構成するRNA断片を用いた実験から、Pタンパク質と毒素ドメインとの結合性が証明された。 2) ラットPタンパク質複合は大腸菌rRNAの両ドメインにも結合する 大腸菌rRNAの合成断片を用いた分析より、Pタンパク質は大腸菌のGTPaseドメインにも強く、また毒素ドメインにはある一定の高次構造をとれば結合することが示された。しかし、大腸菌のstalkL7/L12/L10タンパク質複合体の場合、GTPaseドメインとの結合性のみが検出された。 3) 大腸菌リボソームへのラットPタンパク質複合体の結合によりリボソーム機能が完全に変換する 大腸菌リボソーム中のstalkタンパク質複合体とラットPタンパク質複合体と置換することにより、リボソームが大腸菌伸長因子を受容しなくなり、代わりに、動物の伸長因子を受容するようになった。1)と2)の結果を考慮すると、機能変換は、Pタンパク質複合体と大腸菌rRNAのGTPaseドメインおよび毒素ドメインとの相互作用に起因すると考えられ、これらの部位間の密接な相互作用が推察された。
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