研究課題/領域番号 |
10174215
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
臼倉 治郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30143415)
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研究分担者 |
西沢 祐治 名古屋大学, 医学部, 助手 (80252229)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 遺伝子の転写 / 蛋白質核酸複合体 / 低角度回転蒸着法 / mRNA / RNAポリメラーゼ / 構造解析 / 電子顕微鏡 / Open complex |
研究概要 |
本研究ではプロモーターlacUV5を含む600〜1000塩基対のDNAをテンプレートとし、大腸菌より精製したRNAポリメラーゼ(以後RNAP)を用いて転写過程の形態学的側面を明らかにしようとした。その結果、RNAP/DNA複合体の構造をを明瞭に観察できた。nonspecific複合体では多くのRNAがDNAに付着するが、接触ではなく抱え込むように結合していることがわかる。また、RNAPの結合方向がまちまちであることから、DNAとRNAPとの結合には回転方向の自由度があり、mRNA合成中にRNAPが回転しながら進行している可能性を示唆している。 Open complex複合体の形態学的の大きな特徴はRNAPを頂点としてDNAが折り曲げられることであるが、よく観察すると3'側においてDNAがRNAPから出てきているところでさらに強いkinkが認められる。このkinkがプロモーターspecificであるかどうか今後の問題である。RNAPは大きなサブユニット2個と小さなサブユニット2個が重なりあった構造として見える。分子量を参考にすると明らかに大きなサブユニットはβとβ'で小さなものは相同の形をしているので二つのαサブユニットと思われる。我々の観察結果からはDNAはRNAPの2βと2αとの間に形成される大きなチャンネルを明らかに貫通している。しかし、表面からの観察であるのでRNAPの中でさらに蛇行しているのかどうかはわからない。Elongation complexでは短くて細いmRNAがβとαとの間のチャンネルからテンプレートDNAとともに出てくるところが観察されたが、RNAがプロモーターの位置を離れてしまうため、合成mRNAがRNAPの3'側の入り口か5'側の出口から出てくるのかは未だ確認していない。
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