研究課題/領域番号 |
10174216
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水野 猛 名古屋大学, 農学部, 教授 (10174038)
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研究分担者 |
上口 智治 名古屋大学, 農学部, 助手 (20232738)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 大腸菌 / 細胞複製 / FtsZリング / タコピーサプレッサー |
研究概要 |
本研究計画では、大腸菌細胞複製の分子機構を理解する上で興味深い新規遺伝子Yhhpの機能に関して分子遺伝学的な解析を行った。YhhPを欠損した変異株は細胞分裂に異常をきたし、長くのびた細胞形態を示すことを見いだし、YhhPが細胞複製との関連で重要な機能を担っていることが予想された。この細胞分裂の異常は培地の食塩濃度に依存しており、高食塩濃度(3%)条件ではこの異常が緩和されることが見いだされた.細胞分裂隔壁の形成にはFtsZが重要な働きをしていることが知られているので、FtsZ-リングの形成能を解析したところ、YhhP欠損変異株ではFtsZ-リングの形成に異常が見られた(細胞内FtsZの存在量には変化はなかった)。従って、この変異株ではFtsZ-リングのアセンブリーが一義的に異常であると考えられた。いままでに同様な表現型を示すものとして、ppGpp合成の異常が原因であるものが知られている。そこで、ppGpp合成酵素であるRelAの遺伝子をプラズミドを用いて導入したところYhhP変異が抑制されることが分かった。更に、YhhP変異を抑制する遺伝子を多コピーサプレッサーをして取得するための検索を広範に行った.その結果、複数の興味ある遺伝子が取得された。例えば、RNA分解酵素であるRNase-Eであり、ヒートショックタンパク貿DnaKの変異を抑制するDskAであり、リポソームリサイクル因子RRFをコードする遺伝子などであった.これらの結果より、YhhPは、かなり間接的にしか細胞分裂に関与していないことが示唆された.YhhPの欠損が細胞分裂に影響を与える詳細な分子機構は今後の問題である。
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