研究課題/領域番号 |
10174220
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡野 栄之 大阪大学, 医学部, 教授 (60160694)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Musushi1 / Musashi / 哺乳類神経系 / 中枢神経系幹細胞 / 脳室壁周辺 / RNA結合蛋白質 / 水頭症 |
研究概要 |
我々はヒトを含めた哺乳動物の神経発生メカニズムの解明を指向し、ショウジョウバエMusashiのマウスにおける相同分子Musashi1(Msi1)を同定し解析してきた。 低密度初代培養細胞を用いたMsi1発現細胞の解析や免疫組織化学的解析の結果、Msilは哺乳類胎生期の脳室壁周辺ventricular zoneに豊富に存在し、ニューロンおよびグリア細胞を産生する能力を有する中枢神経系未分化幹細胞において強く発現している事を明らかとした。従来、中枢神経系幹細胞は胎児期には存在するが成体の脳には存在しないものと考えられてきた。しかし近年、マウス、ラット等の齧歯類のみならず我々ヒトにおいても、中枢神経系幹細胞が胎生期のみならず成体においも存在することが報告されている。そこで、生後および成体でのMsi1の発現を検討した。その結果MSi1は生後から成体に至るまで、側脳室周辺のsubventricular zone(SVZ)に存在する未分化幹細胞やグリア前駆細胞考えられる細胞、およびアストロサイトにおいて強く発現が持続する一方、PDGFR或いはNG2陽性のO-2Aやオリゴデンドロサイトの細胞系譜においては極めて早期からMsi1発現が消失することが示された。 以上のような発現パターンやショウジョウバエ相同分子(d-Msi)との類似性から、Msi1蛋白質は胎生期のみならず成体においても神経発生過程における細胞の運命決定、細胞系譜の形成あるいは、神経系幹細胞の維持に転写後レベルで関与している可能性が考えらる。さらにmsi1遺伝子産物の生体内での役割を明らかにするために、相同組み換え法を用いてmsi1遺伝子欠損マウスの作製を行った。その結果、msi1欠損ホモ接合体は出生直後より高頻度に水頭症(Hydrocephalus)を発症し、生後1-2ヶ月で死亡することが明らかとなった。
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