研究課題/領域番号 |
10175204
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小浜 一弘 群馬大学, 医学部, 教授 (30101116)
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研究分担者 |
中村 彰男 群馬大学, 医学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ミオシン / カルシウム結合 / モータードメイン / 発現蛋白質 / 粘菌 |
研究概要 |
本研究はCa^<2+>結合性があるフィザルム・ミオシン重鎖の「モータードメイン」(「制御ドメ イン」を含む)を組換体発現蛋白質として得て、軽鎖を組込ませS1を再構成しようとするものである。1)「制御ドメイン」はCa^<2+>結合性を有する(但し、Ca^<2+>の作用は逆である)ホタテ貝ミオシンの成功例にならい、私どもは大腸菌で発現させることに成功した。軽鎖を組込んだ上で結晶化を試み、重原子置換→X線回折により高分解能で立体構造を決定できる途が開く。結晶化はCa^<2+>存在下で行なわれるので、ホタテ貝では「on」の状態で結晶化されている。フィザルムでは「off」の情報を与えることになり、必須軽鎖のGly117近傍の変化に注目する。2)「モータードメイン」をメチロトローフ酵母の系を用い分泌蛋白として大量に得る。軽鎖を組込んだ上、Motility assayにより機能を検定する。特に、ホタテ貝ミオシン軽鎖とのhybridによるCa^<2+>の作用の変化を検出する点に重点をおく。本研究はこの様な内容を実施するものであるが、本年度の成果を以下に示す。 A. フィザルム・ミオシンの「制御ドメイン」をコードするcDNAクローニング 1)フィザルム変形体より精製したミオシンの重鎖をトリプシンにより限定分解した。70/60K、28K、17Kの各々のドメインよりアミノ酸部分配列を決定した。次に、粘菌フィザルムよりのmRNAを得て、このfirst strand cDNAを鋳型に、部分アミノ酸配列から推定される塩基配列をプローブにRT・PCRにより、望む部位のDNAを増幅した。2)TAクローニングキット(lnvitrogen 社)によりPCR産物のクローンを得て、塩基配列を決定した。 B. 「制御ドメイン」の大腸菌内の発現 1)Aで得られたcDNAのうち、28KドメインのcDNAをPCR法により増幅した。2)近年開発された強力なT7プロモーターを有するプラスミド:pET21に組み込み、これを大腸菌内(BL21株)に発現させた。3)大量培養のうち、蛋白質化学的手法で精製した。 C. 「制御ドメイン」のCa^<2+>結合測定並びに結晶化の試み1)Bの方法に準じて、すでにフィザルム・ミオシンの必須軽鎖及び制御軽鎖が機能あるかたちで得られているが、「制御ドメイン」とこれら軽鎖を結合させる。流動透析法にてCa^<2+>結合を測定したところ、良いCa結合値が得られた。
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