研究課題/領域番号 |
10175220
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
石渡 信一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10130866)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 筋収縮制御機構 / 心筋収縮系 / アクチンフィラメント再構成系 / キネシン分子モーター / ミオシン分子モーター / 1分子機能解析 / 顕微画像化-顕微解析 / 微小管・キネシン間結合力 |
研究概要 |
分子モーター機能を、以下の実験系について解析した。1)アクチン・ミオシン分子モーター系:アクチン・ミオシン(HMM)分子間の硬直結合状態における破断力分布を、様々な負荷上昇速度のもとで計測した。その結果、負荷上昇速度が大きいと、破断力分布は7pN付近と15pN付近に2つのピークをもつが、負荷上昇速度が小さくなると、15pN付近のピークが消えることが分かった。このことから、硬直状態においてミオシン分子は単頭・双頭結合の平衡状態にあると結論された。ATP存在下でのHMM分子の発生張力を、in vitro滑り運動系で1分子計測し、温度やATPアナログの作用を検討した。その結果、発生張力は温度にほとんど依存しないこと、ATPに比べてGTPでの発生張力は約半分であること、などが分かった。2)微小管・キネシン分子モーター系:微小管・キネシン分子間結合の破断力と、キネシン分子の弾性率を、ATP非存在下(硬直状態)とAMPPNP存在下(ATP状態)で計測した。そこで1)と同様に、破断力と弾性率の負荷上昇速度依存性を計測した。その結果、破断力、弾性率ともに、硬直状態ではATP状態の約半分であることから、前者では単頭結合、後者では主に双頭結合であると結論された。さらに負荷上昇速度依存性から、双頭・単頭結合間に平衡関係が成り立っていることが分かり、そこでの速度定数が見積もられた。3)心筋収縮系:最大等尺張力に対するpHの作用は、心筋と骨格筋では異なる。アクチンフィラメント再構成心筋を用いて張力のpH依存性を調べたところ、制御タンパク質を含まないアクチンフィラメント再構成筋が最もpHの影響を受けやすいことが分かった。そこで心筋、骨格筋から調製したトロポミオシン、トロポニンを用いて、制御タンパク質をも再構成して調べたところ、pH減少に伴う張力減少の程度がトロポミオシンによって制御されることが明らかになった。
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